第二十三回文学フリマ東京で頒布した
文芸サークル「ふかふか団地」3冊目の小説同人誌です。
収録内容
エイティーン - さんらいと 「それが僕の尽くした青春の全てであり、僕自身の全てだった」 我々人類は、明かせないものなどないほどに進化し、無粋な技術を発明せざるを得ないほどに退化していた。 死人の魂がエネルギーに変換できるようになった時代。夢を捨てて就職した僕は、どこかで夢を捨てられずにいた。生と死の概念が歪んだ世界で、生きることとは何なのか。死へと飲み込まれた廃墟で彼が出会ったのは、かつて憧れた女性の霊だった。 やさしい爆弾のつくり方 - 愛宕恵 「ウチの街にもゴジラ来てくれないかなーって思った」 この団地が嫌いだった。 誰かがこの小さな世界を、終わらせてくれる日を夢見ていた。 そんなある日、この場所へ引っ越してきた千春先輩が 「この団地を爆破する」 と、言い出して……。 白黒ワールズエンド - 九十九葵 「世界が終わることを、今日も願った」 ある日、少年が住んでいる団地のゴミ捨て場に、性的な雑誌が捨てられていることに気付いた。 いけないと思いつつもそれを持ち帰ったところ、同じ団地に住むお姉さん・有紀寧に見つかってしまい、それを脅しの材料に使われてしまう。 悶々としながらも、小間使いとして有紀寧に従い続ける日々。 その中で、少年は有紀寧のことを少しずつ理解していく。 しかし、ある日、二人の秘密の関係に終止符が打たれる出来事が起きてしまう。 人の住む場所 - 尾瀬みさき 「三年前、同じ団地に住む幼馴染の生駒菊花は死んだ」 三年経ち、団地は建て替えがはじまり、俺は就活から目を背け、彼女は幽霊となって、だらだらとこの団地で暮らし続ける。 これが俺と彼女の日常だ、少なくとも、今のところは。 どこまでも日常系、どうしたって青春のおわり短編。